豊橋でルーマニアのキャロル
2015/11/15 今日は、ルーマニアのキャロルを聞くために豊橋インターナショナルフェスティヴァルに行ってきました。多分、日本国内で、ルーマニア人によるルーマニアキャロルの演奏を楽しめるのは、豊橋だけだと思います。毎年行われるフェスティヴァルですが、どんなに忙しくても、毎年見に行きます。母国と離れてから、15年間も経ち、この15年の間、クリスマスの時期に一度も故郷に帰ったことありません。12月は仕事が一番忙しい時期で、もちろんこれからも帰れないでしょうから、私にとって豊橋のフェスティヴァルはとても貴重な体験です。7人のルーマニア人の歌を聴いて、とても懐かしい感じがしました。心の奥から湧き上がる感動で、思わず鳥肌が立ちました。
今回演奏してくれた曲は、ミハイ・エミネスクというルーマニアの有名な詩人が書いた「コリンデ、コリンデ」というクリスマスキャロルとブコヴィナ地方の「カンタ・ククル・バタル・ヴィーナ」という曲でした。ルーマニア語で、クリスマスキャロルは「コリンダ」と言います。クリスマスの時期になると、コリンダ隊が各家庭を周って玄関や窓の前でクリスマスのコリンダを歌います。子供だけでなく、高校生や大学生、 大人のグループもコリンダを歌います。コリンダは歴史古いもので、とても意味深いものです。ルーマニアのコリンダはクリスト教に由来すると思われがちですが、実はルーマニアのコリンダはクリスト教より古い歴史を持つ習慣です。少なくとも3000年以上の歴史が確認され、古代ヨーロッパの大きな文明を作り上げたダキア民族に由来する習慣だと言われています。現代のコリンダのテーマは主にクリスマスの喜び、自然のサイクル、人同士の繋がり等です。
プログラムの後半にルーマニアの「アルネル」という踊りを楽しみました。子供向けのとてもシンプルな踊りですが、こちらも数千年前まで遡る歴史を持つ踊りです。子供が元気に成長するための踊りで、子供の頃にこの踊りを踊れば、大きく、強く育つと言われています。踊りの途中で地面を踏み鳴らすこともあり、眠っている大地を起こし、子供達に元気をつけるという意味もあります。
演奏してくれた7人に本当に感謝です。
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