がっかりすることもある2018年5月7日
ワインが大好きなので、もちろん、ワインの仕事も大好きでが、たまにはワイン業界の中でもがっかりするような出来事があります。ただ、失望するかどうかはそれぞれの人の考え方や価値観によるものなので、他人には失望感を見せず、静かに自分の道を歩いて、正しいの思ったことを誠実にやってきたつもりです。個人的にはドラマを好まないし、ドラマを起こす人もあまり好まないのです。
しかし、今回の出来事を無視すると、ワイン業界にとっては決して良いことではないし、ワインの愛好家の方々にとっても良いことはないと考えています。 今回は同業界の他社が別なルートで仕入れた、全く同じ商品(ルーマニアのワイン)を楽天市場で販売し出しました。自由市場なので、他者が同じ商品を販売することが全く問題ありません。しかし、その会社が自分が書いたホームページからメーカー情報や商品情報をそのままコピーして無断で使っています。文章の編集もなく、私が間違えたカタカナのスペルもそのままコピーされています。 情報源が少なく、外国語の情報源しかないワインの紹介文章を作ることがとても大きな労力を必要とします。情報の収集から正確性の確認までのプロセスが長く、一つの輸入品を正しく紹介するためには時間がかかります。特にワインの場合、原産国を訪問し、メーカーの考えや現地の状況を調べる必要があります。お金、労力と長い時間のかかる作業です。 最初はどのようなリアクションをすれば良いか分からず、その業者が販売している商品を手に入れて見ました。裏ラベルを見ると「低温コンテナー輸入」と記載されていました。ルーマニアのメーカーが知り合いのため、本当に低温コンテナだったかについて問い合わせたところ、低温コンテナではなかったことを知りました。 ワインを良い状態で提供するためにはやはり、低温コンテナの使用が必須です。通常のコンテナの場合はワインが若干ダメージを受け、現地と同じ状況で提供できることがほぼ不可能です。消費者は現地に行かないので、ワインを飲んでもそれが本来の味だと思ってしまい、それでおしまいです。従って、低温コンテナの使用について誠実でないと、消費者にも良くないと思いますし、一生懸命美味しい葡萄を育ち、美味しいワインを作ったメーカーに対しても大変失礼な行為だと考えています。 他人が頑張って書いた文書を平気で無断使用するだけでなく、消費者に対しても誠実でない会社が同じ業界にいるなって、とても悲しいです。 残念ながら、日本の法律ではワインの定義がはっきりされず、ラベル表示法もまだまだ足りない部分が多いです。法律でカバーできていないことは企業のモラルに任されているのですが、生憎、モラルのない企業もいるようです。消費者から真実を隠しても、法律上で罰せられないのは悲しい事実です。消費者に正しくて明確な情報を与えるための法的な枠組みが早く整理してもらいたいですね。 |