ルーマニアの葡萄品種ルーマニアには、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネやゲヴルツトラミネールといった世界中にある葡萄品種以外には、古代から栽培され続けている、歴史の古い土着品種も多くあります。ルーマニアの代表的な土着品種はフェテアスカレガーラ(王家の乙女)、フェテアスカ・アルバ(白い乙女)、クルンポシエ、タマイオアサ・ロマネアスカ、シャルバ、ズギハラ・デ・フシ、フェテアスカ・ネアグラ、バベアスカ・ネアグラ、カダルカ、ネグル・デ・ドラガシャニ、ノヴァック、ブスイオアカ・デ・ボホティン等です。長年に渡ってルーマニア葡萄品種の勉強に取り組み、100種類以上を確認できました。
ルーマニアワインを語る上で、「土着品種」は重要なキーワードだと考えております。ルーマニアのワイン用の葡萄はヴィティス・ヴィニフェラ種に属し、欧州連合によって承認されています。ルーマニアの農業省が各地方毎に地形、気候、歴史、食文化等を考慮し、「推奨品種」と「許可品種」を定め、遺伝子組換え品種の栽培は禁止されています。EUの中でも、ルーマニアは単一品種の自然的な多様性を守る国として知られ、昔から存在する葡萄を守りながら、消費者の安全性にも重点を置いた法律の枠組みをしっかり作っています。ワイン業界関連の法律に関してルーマニアは世界の先進国の一つになっており、EUとの密着なパートナーシップによって、世界のワインの品質や多様性に大きく貢献しています。
ルーマニアで栽培される葡萄品種の数が多く、私が勤めている小さくて力のない会社では全てを紹介することが難しいですが、ルーマニアの最もポテンシャルの高いと思われる葡萄品種だけに集中し、紹介してまいりました。お陰様で、日本ソムリエ協会の教本にもルーマニアの土着品種を記載することができ、少しずつ日本国内でも知られるようになりました。
ルーマニアで栽培されている葡萄品種は、栽培面積の順に下記に記載致しました。農業省の指揮下にある「ルーマニアワイン及び葡萄畑官庁(ONVPV)」のデータにより纏めた表です。
栽培面積順のルーマニア国内の葡萄品種(2017年)
ベレシュ・アレクサンドル・ダニエル
Daniel Alexandru BERES |