シラー Syrah シラーは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方を発祥地とする黒葡萄品種です。ディープでダーク、長期熟成に向いているワインを生み出します。シラーは世界のほとんどのワイン生産国で栽培され、最近人気上昇中です。
オーストラリアではシラー(Syrah)ではなく、シラーズ(Shiraz)として知られています。初めてオーストラリアに輸入されたのは1830年頃でしたが、その時はフランス名の「Syrah」ではなく、英語名の「Scyras」が使われました。それにオーストラリア人の訛を入れると「Shiraz」になりました。現在、ワインの世界ではシラーもシラーズも使われていますが、オリジナルの名前はフランス語由来の「シラー」です。 シラーのイメージ 力強さと気品を合わせた、マッチョなお兄さん。「ワインバイブル」という本を書いた、カーレン・マックニール(Karen MacNeil)氏によると「シラーはカウボーイブーツにタキシードを着る男」をイメージします。
シラーの特徴 若いワインは濃い紫を帯びたガーネット色を持ちます。とてもスパイシーで、香りには黒コショウのニュアンスを持ち、ブラックベリーやビターチョコレートのニュアンスも感じられます。基本的にシラーで作られたワインの香りのインパクトが強く、印象に残ります。ヴォリューム感があって、骨格もしっかりしています。タンニンが豊かて、全体的な味わいは濃厚です。酸もしっかりしています。シラーで作られたワインのアルコール度数が高く、男性的です。
原産地であるフランス・ローヌ地方のシラーの場合は、黒胡椒のニュアンスが現れやすいため、「スパイシー」という表現がよく使われます。酸味は強く感じられます。 オーストラリアのシラーズワインはローヌのシラーほどのスパイシーさはありませんんが、その代わりに熟した果実味と強めなタンニンが前面に出やすいです。タンニンが強いため、酸味は目立たない傾向にあります。 ルーマニアのシラーの特徴はローヌとオーストラリアの間ぐらいだと言えます。骨格はとてもしっかりしていますが、スパイシー過ぎず、意外と滑らかなタンニンと上品な味わいを持ち、最近の世界的なワインコンクールで高い評価を受けています。 栽培面積と栽培地 ワイン用の葡萄品種の中では、栽培面積は世界6位で、黒葡萄の中では4位です。世界合計栽培面積は190,000ヘクタールです(2017年のデータ)。1990年からの世界合計栽培面積は5倍以上増えたと言われています。
シラーの主な産地はフランスのローヌ地方北部、イタリア、ルーマニア、ポルトガル、スペイン、オーストラリア、アメリカのカリフォルニア州やワシントン州、チリ、アルゼンチン、南アフリカやニュージーランドです。 ルーマニア国内のシラー栽培面積は503ヘクタールです(19位)。 シラーの歴史 1998年に、カリフォルニアデイヴィス大学のキャロル・メレディス(Carole Meredith)博士が行ったDNA解析の結果、シラーはフランスで栽培されている「デュレーザ」種(黒葡萄)と「モンドゥーズ・ブランシュ」種(白葡萄)の自然交配によって生まれたことが明確になりました。
イランのシーラーズ市でもこの種のワインが生産されたため、元々イラン原産の葡萄で、後にローヌに渡ったという説もありますが、証拠は一切ありません。実際のシラーの正式的な発祥地は間違いなくフランスですが、デュレーザ種とモンドゥーズ・ブランシュ種の然交配はいつ起きたか不明です。 相性の良い食材 力強くパンチのきいたシラーには、スパイシーに味付けした肉料理との相性がバツグンです。黒胡椒をきかせた鹿肉、鴨肉やジビエのお肉と好相性です。ルーマニアでは仔羊のローストに合わせることが多いです。
お勧めのシチュエーション 定番のカベルネ・ソーヴィニョン、メルローとピノ・ノワール以外の赤ワインを飲んでみたい時にはシラーを試しましょう。また、ジビエを食べる機会があれば、シラーのワインと合わせると良いでしょう。
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