ヴィオリカ種 Viorica 先日は八芳園に行われた東京ワインコンプレックスに参加させていただきました。世界中のワインを味わえる、とてもレベルの高いワインイベントです。最も嬉しいのは、このイベントの中の東欧ワインの大きな存在感です。これからは東欧ワインブームが始まるかもしれません。10年以上東欧ワインを専門的に勉強し、東欧の葡萄品種をある程度把握しているので、最近新しい出会いはなかなかないのですが、今回はとても珍しい葡萄品種に出会いました。それはモルドバ共和国土着品種のヴィオリカ(Viorica)種です。
試飲してみると、とてもフローラルで、チャーミングで、飲みやすいですが、個性もしっかりあることが分かります。あまりにも面白くて、家に帰ったら早速この葡萄品種について調べてみました。
ヴィオリカ種はモルドバのオリジナル品種です。1969年にキシナウ国立研究場で、セイベル 13666(Siebel 13666)種とイタリアのアレアティコ(Aleatico)種の交配によって作られました。
セイベル 13666種はヨーロッパ種(Vitis Vinifera)とアメリカ種(Vitis Rupestris)の交雑種(ハイブリッド種)です。アレアティコ種はイタリアの古い葡萄品種です。従って、ヴィオリカ種は75% Vitis Vinifera種で、25%Vitis Rupestris種のクオーター交雑種です。 モルドバの寒い気候に堪えるために作られた品種だそうです。マイナス25℃までの寒さに堪えるのですが、酸味が強く、70年代と80年代には蒸留酒の原料にしか使われなかったそうです。最近、気候温暖化の影響で、1年間の平均気温が上がりつつあるため、品質の高いワインも作れるようになりました。モルドバのブドウ品種として正式的に登録されたのは1990年です。ヴィオリカ種ワインの特徴はフローラルさと飲みやすさですが、不思議でユニークな個性に魅了されてしまいます。 モルドバ国内の合計栽培面積に関するデータを見つけることができなかったのですが、おそらく数十ヘクタール程度かと思われます。ポテンシャルのあるブドウ品種として若干注目されているので、こらからの栽培面積が増える可能性があります。 しかし、将来的にモルドバも欧州連合に加盟すると、交雑種のため、栽培が禁止になる可能性が高いですね。まー、モルドバのEU加盟をロシアが簡単に許さないでしょうから、しばらくヴィオリカ種飲めます🥂 ヴィオリカ種のワイン The only Viorica in Japan 日本国内にはヴィオリカ種のワインが1種類しか輸入されていませんが、価格は手頃で美味しいです。ワイン愛好家には一度味わっていただきたいワインですね。お買い求めはこちら。
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